市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)が、国内のビデオコミュニケーション市場の将来展望に関する調査を実施しており、年1回結果をまとめた調査研究レポート「2017ビデオ会議/Web会議の最新市場とビデオコミュニケーション周辺ビジネス動向 ~クラウド、ロボット、ビデオチャット等の最新技術・サービスとの関連~」が現在発行されております。2016年、テレビ会議・Web会議市場はどうだったか?今後の市場はどのような方向性になるのか?等、シード・プランニングの研究レポートを元に解説させて頂きます!
まずご覧頂きたいのがビデオ(テレビ)会議システム端末の出荷台数グラフです。
グラフで見ますと、毎年右肩上がりでテレビ会議システム端末の出荷台数は伸びており、2017年の出荷台数予測は「40,000台」と予測されています。パソコンやタブレットの性能が上がっていますので、専用機を必要とせずともクオリティーの高いビジュアルコミュニケーションが出来る時代に突入した! とは言え、テレビ会議システム専用機の需要もまだまだ伸びる傾向にあるようですね。
次にご覧いただきたいグラフがこちらです。
ビデオ(テレビ)会議市場の金額規模のグラフになります。こちらも微量ではありますが、毎年前年から比べると金額規模も増収している傾向にあります。2015年からビデオ会議市場の金額規模が他の年に比べ向上していますが、Web会議やテレビ会議の多地点接続を「クラウド」で行えるソリューションが普及されてきた事が数字を上げる要因になったのではないかと予測されます。
それでは2016年テレビ会議システムメーカーの日本国内「シェア」を見てみましょう。
テレビ会議システム専用端末の出荷台数です。2016年にテレビ会議システム専用機が出荷された総台数は「36,900台」となります。その内出荷台数No.1に輝いたのは「Cisco」になりました! 続いて「Polycom」「ソニー」「パナソニック」の順になります。CiscoがNo.1になった要因はキャンペーンを継続的に行っていた事と「Sperk:スパーク」というクラウドベースのコミュニケーションプラットフォームが上手く展開できた所に勝因があるのではないかと思います。
次にテレビ会議システムメーカーの販売金額となります。
販売金額のトータルとしては「約144億円」というデータになっており、その内訳で申し上げると販売金額No.1は出荷台数と同じく「Cisco」がトップとなっております。続いて「polycom」「ソニー」「パナソニック」の順となります。数年前までは出荷台数も販売金額数も「Polycom」がトップだったのですが、ここ2~3年で「Cisco」がNo.1を継続的に維持している状況になります。
Web会議の市場動向も気になるところですので、クラウドサービス(ASP)に着目してWeb会議システムの市場動向を見てみたいと思います。Web会議システムはクラウドサービス(ASP)のデータを元にサービス利用金額別でシェアを見てみましょう。
金額規模全体で見ますと「98.6億円」の市場となっており、毎年不動の「V-CUBE(ブイ-キューブ)」がシェアNo.1に輝きました。続いてCiscoの「WebEX」、NTT ITの「MeetingPlaza(ミーティングプラザ)」、ジャパンメディアシステムの「LiveOn(ライブオン)」となります。今後はアメリカで展開され始めているクラウドサービス「ZOOM」などもランクインされてくるのではないかと予測されます。
では最後にテレビ会議システムを多地点接続させるためのアプライアンスサーバ「MCU」の市場動向を見てみたいと思います。 こちらです。
販売台数としては日本国内で「約760台」のMCUが出荷されており、金額は「50.4億円」となっております。MCUのシェアとしてはNo.1に輝いたのはテレビ会議の老舗「Polycom」に軍配があがりました。続いて「Cisco」次に「Avaya」となっております。テレビ会議多地点接続も昨今クラウド化の傾向が進んでおり「BlueJeans」や「Lifesize Cloud」と言ったテレビ会議多地点接続クラウドサービスも注目されてくるのではないかと予想されます。
いかがでしたか?今までのテレビ会議動向から見ると、ISDNを使った通信からIP化へ、SD画質からフルハイビジョンへ、テレビ会議専用機同士でしか通信できなかった会議がパソコンやタブレットを混在させた会議が可能に、といったユーザーにとって嬉しい技術的進歩が止まらないテレビ会議・Web会議業界。今後のキーワードとしては「マルチデバイス接続」や「UC/ユニファイド・コミュニケーション」を中心としたコミュニケーションプラットフォームを構築し、携帯電話を利用するシンプルな感覚で利用できるテレビ会議・Web会議の市場動向を見ることができる・・・、のだと思われます。
資料引用:株式会社シード・プランニング
「2017ビデオ会議/Web会議の最新市場とビデオコミュニケーション周辺ビジネス動向 ~クラウド、ロボット、ビデオチャット等の最新技術・サービスとの関連~」