市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)が、国内のビデオコミュニケーション市場の将来展望に関する調査を実施しており、年1回結果をまとめた調査研究レポート「2018ビデオ会議/Web会議の最新市場とクラウドビデオコミュニケーションの現状」が発行されております。2017年、テレビ会議・Web会議市場はどうだったか?今後の市場はどのような方向性になるのか?等、シード・プランニングの研究レポートを元に解説させて頂きます!
まずビデオコミュニケーションの分類を見てみますと、大きく「3つ」に分類されます。今まで使われてきた【VC:ビデオコミュニケーション】と呼ばれるテレビ会議専用端末、Web会議システム、音声会議システム、多地点接続装置(MCU)のなどの総称として定義されていましたが、2000年代から外資系企業が使い始めた、さまざまな通信サービスを統合した【UC:ユニファイドコミュニケーション】といったビジネスモデルが注目され、また最近では【CS:クラウドサービス】の中でマルチデバイス接続や上記で定義されたものが展開されています。この3つの分類の中で共通されているポジションが「テレビ会議(ビデオ会議・テレビ電話)、情報共有、グループウェア通信」と考えられます。
ビデオコミュニケーションの利用用の途変化をみてみますと、社内会議や会社の上層部が利用するという、どちらかと言うと閉鎖的な利用シーンが多かったのに対し、現在では「広義ビデオコミュニケーション」というテレビ会議クラウドサービスやユニファイドコミュニケーションが関連するソフトウエアMCU、安価サービス、周辺ビジネスサービス(会議予約ツール、モバイル関連ソフト、ストリーミングサービスなど)のような新分野での「いつでも・どこでも・どんなデバイスでも・だれとでも」という自由な発想で、ビデオコミュニケーションができる利用用途に移り変わってきています。では広義ビデオコミュニケーションの定義を見てみましょう。
近年、クラウドの普及、マルチデバイスの進化により、以前はハードとソリューションが混在されていましたが、それをハードとクラウドサービスで分けてその中で新しい分類分けを検討しているとシード・プランニング社は考えられています。
2017年ビデオコミュニケーション市場は【497.2億円】でした。では、その内訳を見て行きましょう。
新分類の広義VC市場で見てみますと、ハードよりもクラウドサービスの割合が多くなります。
まずビデオ(テレビ)会議市場を見てみますと、販売台数・売上金額共に「シスコシステムズ」がNo.1でした。販売台数は実に全体の約4割を占めています。続いて2位は「ポリコム」、3位は「ソニー」、4位は「パナソニック」という結果になりました。販売台数はパナソニックよりソニーの方が多く販売されていますが、売上金額に関してはパナソニックよりソニーの単価が低いため金額別で見ますと逆転が起こっています。
Web会議(SI,ASPタイプ合計)の国内市場メーカー別シェアは、ブイキューブがNo.1となりました。続いてシスコシステムズ(Webex)、ジャパンメディアシステム(Live On)、NTTテクノクロス(meeting plaza)の順となっております。売上金額でもNo.1はブイキューブ(42億6,000万円)、続いてシスコシステムズ(29億5,000万円)となっております。2017年の売上金額合計は「138億円」と年々増加傾向にあります。投資や運用などの負担も少なく始められるWeb会議が、今後さらに増加すると予測されます。
いかがでしたか? 今までの 「既存ビデオコミュニケーション」は、社内や会社上層部などの特定の場所で会議用途として使われることが多くありましたが、「広義ビデオコミュニケーション」はリアル双方向のピデオコミュニケーションで、情報共有やスタッフ同士のミーティングなど、会議以外の用途に広がりを見せています。また政府が積極的に勧めている働き方改革は、あらゆる業界に長時間労働の削減や生産性の向上が望まれています。これらに有効なデバイスやソリューションが求められ、その結果ビデオコミュニケーションの普及がますます進むと予想されます。社外・社内、国内、海外問わず、どんなツールからでも簡単で快適なコミュニケーションが行えることで、人材確保やワークシェアリングを実現します。 ビジュアルコミュニケーショがン働き方改革の有効なソリューションの1つとして、今後も取り上げられてい<ことでしょう。
資料引用:株式会社シード・プランニング
「2018ビデオ会議/Web会議の最新市場とクラウドビデオコミュニケーションの現状」