PCやモバイル端末を利用したWeb会議の際、よく利用される周辺機器としてヘッドセットがあります。ヘッドセットは本当にたくさんの種類があり、どれを選んだらよいか迷ってしまいます。
そこで、Web会議でヘッドセットを利用する際にどんな製品を選んだらよいか、「ヘッドセットの接続方法」からご紹介いたします。
接続方法からみたヘッドセットの選び方
ヘッドセットの接続方法は、有線では「USBタイプ」「ピンジャックタイプ」、無線ではBluetoothを利用した「ワイヤレスタイプ」があります。
有線のヘッドセットのメリット・デメリット
有線の一番のメリットは通信速度が早く安定している点です。また、比較的安価で購入が可能です。デメリットとしては、利用範囲がケーブルの長さに依存することや、有線ゆえ断線することなどがあげられます。モノによってはかさばるため、外出などの持ち運びにはむかないタイプもあります。
無線のヘッドセットのメリット・デメリット
一方無線のメリットは、使用電力が少ない、小型で軽量なので持ち運びに便利、ケーブルのわずらわしさがない、などがあります。デメリットとしては、無線ゆえに電波の干渉による音声劣化やタイムラグが発生してしまうことです。
双方のメリット・デメリットをふまえ、例えば自分のデスクで利用するなら安定した有線を、外出の合間に社内と打ち合わせをするなら持ち運び便利な無線を、といった感じで利用するシチュエーションによって選んでみてはいかがでしょうか。
有線のUSBとピンジャックのヘッドセットはどっちがいいの?
有線のヘッドセットの「USBタイプ」「ピンジャックタイプ」のメリット・デメリットをみていきます。
USBタイプのヘッドセットのメリット・デメリット
USBタイプのヘッドセットの一番のメリットは、アナログ信号を使用していないのでノイズが入りにくいことです。反面、ほかのオーディオ機器での利用ができなかったり、PCについているUSBコネクタが不足している場合は拡張が必要になることもあります。
ピンジャックタイプのヘッドセットのメリット・デメリット
ピンジャックタイプのヘッドセットのメリットは、USBタイプと逆でPC以外のさまざまなオーディオ機器にも使用でき、利便性が高いことです。デメリットとしては、オーディオ機器に接続して音楽を聴く場合は高い音質が期待できるのに対し、PCで使用する場合は、たとえヘッドセットの性能が高くてもアナログ信号を使っているためノイズが入りやすくなってしまうことです。
価格やその他の条件にもよると思いますが、ビジネスでの利用の際は音質の安定したUSBタイプがよいかもしれません。
無線のワイヤレスヘッドセットを選ぶときの注意点とは
ワイヤレスヘッドセットを選ぶときにポイントとなるのが、Bluetoothの「バージョン」「Class」「プロファイル」「コーデック」です。
バージョンとは
「バージョン」はそのとおりBluetoothのバージョンです。
Web会議で利用するデバイスとワイヤレス製品のバージョンは同等のものにすることで一番能力が発揮されます。バージョンが異なる場合、低いバージョンの機能に統一されてしまったり、互換性がなく利用そのものができなかったりするため、選択の際は注意が必要です。
Bluetooth4.0では、Bluetooth Low Energy(BLE)と呼ばれる通信方式を使用しています。Bluetooth4.0と、Bluetooth3.0以前では互換性がないのですが、機器によってはBLEとBluetooth3.0以前の通信方式の両方をサポートしているものもあるようです。
Classとは
「Class」は通信距離を表します。
Class1~3まであり、Class1は最大100m、Class2は最大10m、Class3は最大1mが目安です。ワイヤレスでWeb会議を行う際はデバイスとそんなに離れることはないと思いますので、ここはあまり気にしなくともよいでしょう。
プロファイルとは
「プロファイル」はBluetoothをそのデバイスでどう使うかを定義したものです。
使用するデバイス同士の対応するプロファイルが異なると接続できないので注意が必要です。
主なプロファイルには「A2DP(音声をステレオで伝送)」「AVRCP(再生・停止・早送りなどのリモコン機能を実現)」「HSP(モノラル音声の双方向通信を実現)」「HSP(HFP機能 + ハンズフリー通話を実現)」があります。
コーデックとは
「コーデック」は音声の圧縮方式についての内容です。
こちらも双方の機器が同じコーデックに対応していないと、その機能は利用できず、最悪音質があまり良好ではないSBCになることもあるようです。
主なコーデックには、「SBC(高圧縮で音質はイマイチ。全ての機種が対応)」「AAC(Apple iTunes標準圧縮方式。SBCと同圧縮率で高音質。iPhoneにも対応)」「apt-X(圧縮率が少ないため元の音源からロスが少なく、低遅延。CD音源の原音に近い。iPhone等では非対応)」「LDAC:SONYが開発した新方式。96kHz/24bitのCDを超える高音質のハイレゾにも対応)」があります。
ビジュアルコミュニケーションを行うときは、音声によるストレスを軽減することが大切です。利用シーンにあわせた適切なヘッドセットを選ぶことが業務の効率化につながります。