Web会議システムは、インターネットを通じて音声・映像・資料をリアルタイムで共有できるツールです。従来の対面会議と異なり、場所を選ばずに会議を開催できるため、テレワークや拠点間のコミュニケーション強化に役立ちます。しかし、種類や機能が多岐にわたるため、何を基準に選べばいいのか?と悩まれる方も多いでしょう。
本記事では、Web会議システムの基本から選び方、導入のポイントまでをわかりやすく解説します。
✔ どのWeb会議システムが自社に最適なのか?
✔ 価格や機能の違いは?
✔ スムーズなWeb会議のために必要な環境や機材は?
これらの疑問を解決し、自社に最適なWeb会議システムを選ぶためのポイントをご紹介します。
自社に最適なWeb会議システムの選び方
Web会議システムの仕組みと主要な種類
Web会議システムの種類は主に以下の2つです。
現在、Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどのクラウド型Web会議システムが主流ですが、セキュリティー条件の厳しい企業や団体、BCP対策、自社独自の運用方法に対応させる必要がある場合などには、オンプレミス型Web会議システムを検討されるケースもあり、利用用途、会議参加範囲などを考えて選択します。
クラウド型Web会議システム |
VTVジャパン取り扱いサービス: Zoom Cisco Webex |
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オンプレミス型Web会議システム |
VTVジャパン取り扱いサービス: Pexip Infinity |
自社に合ったWeb会議システムを選ぶ際の重要な基準
自社にあったWeb会議システムを選択する際には、以下のようなポイントを考慮し、自社内で運用する上で必要になる条件や、かなえたい希望などをまとめることが重要です。
- 参加人数
– 小規模(1対1~数名) → 無料プランでも対応可能
– 大規模(50名以上) → 企業向けプランや専用サーバーが必要 - 必要な機能
– 画面共有、録画機能、ホワイトボード、チャット機能、運用上自社で必要となる機能や条件など - セキュリティ要件
– 社外秘の情報を扱う場合は暗号化・アクセス制限が必要 - 操作性
– 自社内の誰もが簡単に利用できるか - 他のツールとの連携
– Microsoft 365、Google Workspace、Slackなど、社内で利用中のスケジュールツールと連携できるか - コスト
– 月額料金が予算に合うか
Web会議を成功させるための必要な環境と機器
社内のユーザーに快適にWeb会議を行ってもらうためには、利用シチュエーションごとに機器を検討した上でそれぞれの環境を整備する必要があります。特に以下は重要なポイントになります。
- インターネット環境:Wi-Fiよりも有線LANを推奨
- 接続デバイス:
– 一人参加用 (例)PC、外出先からはスマホなど
– 複数参加
(例)会議室から参加する場合は、①据え置きの専用端末を導入する、または、②AV機器を整えて持ち込みPCを拡張して利用する - 利用場所ごとに必要な機材のピックアップ:
– リモート (例)USBカメラ、マイクスピーカーなど
– オフィスの自席 (例)USBカメラ、ヘッドセットなど
– 会議室、セミナールーム
(例)専用端末、PTZカメラ、マイクシステム(シーリングマイク、グーズネックマイク、ハンドマイク、スイッチャー、ミキサーなど)、スピーカー、ディスプレイ、プロジェクターなど
会議室にWeb会議システムを導入する方法については、会議室の広さや用途に応じた検討が別途必要です。VTVジャパンでは会議室の広さ、会議用途に合わせた構成例をご提案させていただきます。こちらの記事も参照してください。
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Web会議システムを導入することで得られる効果と注意点
業務効率化を実現するWeb会議の利点
Web会議システムを導入することで、以下のようなメリットがあります。
- 移動時間の削減: 社員の生産性向上
- 迅速な意思決定 : 遠隔地のチームともスムーズな連携
- ペーパーレス化 : 資料のデジタル共有が容易
Web会議で発生しやすい問題とその対策方法
対面会議とは異なり、Web会議では以下のようなトラブルが起こりがちです。導入時にはこの点も回避策がないか考慮します。
- 音声・映像の乱れ :
事前に回線速度のチェックを行ったり、自席ではヘッドセットを利用するなど運用面も合わせて検討 - 会議の進行がうまくいかない(例:リモートと会議室だとリモートからは発言しづらいなど):
司会者を立てて参加者全員に話をふるなど、社内ルール作成やガイダンスの作成も有効 - セキュリティリスク :
会議URLの管理、パスワード設定の徹底など、社内ルールの作成と周知
Web会議が与えるコスト削減効果
導入することでどれくらいコストが抑えられるかも把握しておくと、稟議を行う際にスムーズです。
実際にWeb会議システムを導入することでコスト削減ができます。
- 交通費・宿泊費の削減: 出張削減(移動コスト、人的負荷の削減)
- 会議室の利用料削減: 社内外のセミナー実施時のレンタル費
- 紙の資料印刷コストの削減: ペーパ―レス化
例えば東京から大阪への出張をWeb会議に変更した場合には、以下のようなコストが削減できます。
- 交通費|新幹線代(往復)、現地までの移動費
- 宿泊費|※宿泊を伴う場合
- 日当・出張手当|※企業による
- 業務時間の削減(人件費)|移動時間を削減することで生産性の向上、出張中の機会損失の回避
この他、企業の規定や状況によって飲食費や会議室使用料、会議資料の印刷代、郵送費が想定されます。
弊社お客様でも、マネージャー全員を集めて本社で行っていた会議をWeb会議へ変更したことで、上記のようなコスト削減ができた上に、参加者と会議室のスケジュール調整がとても楽になったという好事例があります。
最適なWeb会議システムの選び方(価格・機能・セキュリティ)
人気のWeb会議システムと特長
調査会社などのランキングによると、以下のWeb会議システムが人気のようです。それぞれの特長は以下の通りです。
- Zoom:シンプルなUI、使いやすさと安定性が魅力
- Microsoft Teams:Office365との連携が強み
- Google Meet:Google Workspaceとの親和性が高く、Gmailユーザーに便利
- Webex:セキュリティと高品質な通信が特長
社内だけではなく、取引先や顧客向けサービスでもWeb会議を利用することが想定される場合は、相手が参加しやすいツールを選ぶことも重要なポイントになります。
無料・有料のWeb会議システムの違いと選び方
各Web会議システムには無料版が用意されていますが、無料版は
- 会議時間に制限がある(40~60分)
- 参加人数上限がある
- 録画機能が使えない(Zoomはローカル保存のみ可)
- 高度な機能(投票、AI機能、ツールによってはノイズキャンセル機能など)は利用できない
といった制限があります。
長時間の会議や参加人数が100名を超えることがある場合、録画が必要な場合などには有料版を利用する必要があります。
画面共有や録画、ホワイトボード機能を活用する
Web会議システムには以下のような機能が標準装備されています。効率的に会議を行うために、これらを有効活用することをおすすめします。
- 画面共有 → PC上で開いている資料画面の共有|資料の視認性UPと情報共有の効率化
- 録画機能 → 会議内容をサーバー上に動画データとして保存|欠席者への共有や振り返りに活用
- ホワイトボード → 参加者が互いに直接書き込める|アイデア出しやブレストに便利
以下はMicrosoft Teamsの画面共有例です。
AI議事録作成や文字起こしで効率アップを図る
AIを活用した議事録作成ツールを導入したり、Web会議システムの文字起こし機能を利用することで、議事録作成の大幅な効率化が期待できます。
- 自動文字起こし:手作業不要で議事録を作成
- 要約機能:重要なポイントを抽出
Web会議システムによっては、会議室から複数人で参加した際に誰が発言したかを判断できる機能も提供されています。会議室からの参加も要件に入る場合は、こういった機能も判断材料になるでしょう。
こちらの記事も参考にしてください。
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セキュリティ対策で安全なWeb会議を実現する方法
Web会議の安全性を確保するには、以下の点に注意が必要です。また、Web会議ツールが対応しているセキュリティ機能も、事前にチェックを行いましょう。
- 強固なパスワード設定
- 参加者制限
- データ暗号化
こちらの記事も参考にしてください。
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最適なWeb会議システムを選んで、業務効率を最大化
自社に最適なWeb会議システムを選ぶことで、業務の効率化・コスト削減・スムーズなコミュニケーションが実現できます。
「どれを選べばいいかわからない」と悩んでいる方は、まずは自社に合ったWeb会議システムをピックアップして取り扱い代理店に相談し、デモンストレーションで実際の動きを確認するところから始めてみるのもよいでしょう。
VTVジャパンでは会議室へのWeb会議システムの導入、オンライン会議室構築のご提案をおこなっています。お気軽にご連絡ください。