MCUリプレイス事例集
「6つの成功事例から学ぶ」オンライン会議 問題・課題の解決策
Case study:3
既存のテレビ会議システムを出来ればまだ使い続けたい!
新型コロナの影響から、リモートワーク制度を導入される企業がほとんどで、自宅からの会議参加はインターネット利用できるZoomやMicrosoft Teamsを代表とするオンライン会議にツールがシフトされ、社内で使っていたMCU(多地点接続サーバー)の稼働率が下がってきているのが現状です。MCUからクラウドサービスに移行し、オンライン会議で利用できるデバイスはパソコンに置き換え、テレビ会議システムは廃止する方向を考えるも、社内には多くのテレビ会議システムが導入されており、導入してまだ1年しか経っていない、リースが残っていて償却できていない、また利用者からは、使い慣れたテレビ会議システムは残してほしいと声が上がる事も想定されます。
このCase study:3 既存のテレビ会議システムを出来ればまだ使い続けたい!では、弊社VTVジャパンの顧客様が実際にオンプレミスMCUを廃止し、テレビ会議システム利用を残しながらクラウドサービスへ完全移行された経緯を、事例としてご紹介させていただきます。
MCUからクラウドサービスへ移行するも、会議室に設置しているテレビ会議システムは利用し続けたい、リモートワーク者と出勤している社員とのオンライン会議を充実した設備にしたい、などをお考えのご担当者様に読んでいただきたい事例となっております。
システムリプレイス前の構成と、抱えていた問題・課題
VTVジャパンの顧客様(仮:C社)がテレビ会議システムを残しながら、クラウドサービスへ乗り換えされた事例をご紹介する前に、C社ではどんな機器を導入され、どんな利用、運用をされていたかをご説明します。
社内ネットワーク内にアプライアンスMCUを冗長化させ、会議予約・管理サーバー(ゲートキーパー)を構築しており、本社・支社・工場を含む拠点に合計10台以上のテレビ会議システムが導入されていました。C社は会議は会議室で行う文化だったので、自席や社外からの会議参加は仕組みとして持たず、社内利用を基本としたテレビ会議システムネットワークと機材構成になっていました。
現状の課題・問題点としては
- リモートワークに対応するため、MCUをクラウドサービスに移行しデバイスはパソコンに全面変更しようと構想するも、パソコンに比べテレビ会議システムの方が、品質・運用面で安定稼働するので、利用者、管理者とも重宝している。またテレビ会議システムに馴染んでいる利用者からテレビ会議システムの廃止はやめてほしいと依頼があった
- 自社で利用中のグループウェアMicrosoft365やG-Suiteで使えるオンライン会議の機能も、今から検討するクラウドサービスと接続したい、というニーズがある
また将来的な想定を考えると
- テレビ会議システムの廃止に反対する声もあるが、Microsoft TeamsやGoogle Meetがオンライン会議の主軸になってしまうと、便利で印象の良いテレビ会議システムの稼働率が減ってしまう可能性がある
- パソコン中心のオンライン会議ばかり利用されてしまうと、パソコントラブルによる対応が増え、管理者の負担が増大しそう
などの課題・問題を考慮した上で、テレビ会議システムを上手に残しながら、パソコン利用もできるクラウドサービスへの検討を開始し始めました。
テレビ会議システムを活かしながらクラウドサービスに切り替え、
リモートワーク環境を充実
ご採用いただいたプランとして、テレビ会議システム利用を軸に、インターネット利用で自宅からでも社内のテレビ会議システムとオンライン会議できるクラウドサービス「BlueJeans」に利用を切り替え、運用を再スタートしました。
今までMCUの会議室に接続していた操作を、BlueJeansで準備されている会議室(VMR)へ接続する操作に変わっただけなので、テレビ会議システム利用者の利用方法に大きな変更はなく、サービス開始後のトラブルも起こりませんでした。また、今まで仕組みのなかった社外との接続環境がBlueJeansで構築されたため、リモートワーク者の業務環境を整えることに成功。グループウェアとして利用しているMicrosoft365に装備されたMicrosoft Teamsとの混在接続環境を作ることで、利用デバイスの幅が広がり、社内会議だけではなく、お客様や仕入先様とのオンライン会議もスムーズに実施できるようになりました。
クラウドサービスBlueJeansへ移行した成果として、利用中のテレビ会議システムを引き続き有効的に利用できる、クラウドサービスだからといって、パソコン利用だけに傾かない運用ができる、Microsoft Teamsをもっと便利に活用できる、という3つのポイントが、リプレイス成功のカギになりました。
テレビ会議システム利用を継続しながら、クラウドサービスへ移行する際、考えておかなければいけない事とは何か?
C社のクラウドサービス移行事例をご紹介しましたが、自社が抱えていた問題や課題の他に、いくつか考えておくべき「失敗しないリプレイスポイント」をご指摘させていただき、リプレイスを検討する際、C社が気づかれていなかった問題や課題をシステム導入前に整理しておくことができました。
失敗しないリプレイスポイントは3つあり、それぞれについてご紹介します。
【POINT:1 テレビ会議システムを使うのか、パソコンを使うのか】
クラウドサービスでは、テレビ会議システムやパソコンなど様々なデバイスが混在接続できます。ですがそれぞれメリット、デメリットが考えられるので、用途や要件を整理し、利用シーンに応じたデバイス構成を考えておくことが大切です。
【POINT:2 ネットワークの障害】
クラウドサービスに切り替える上で、NAT超えがボトルネックになりがちなテレビ会議システム(H.323)の扱いをどうするかが、クラウドサービス切り替えのポイントになります。テレビ会議システムでカメラ映像と資料共有を2画面に分けて利用する事が必須な場合、テレビ会議システムにグローバルIPアドレスを設定したり、NAT/FWトラバーサルを可能にするサーバーを構築するなど、事前に検討しておかなければいけない事も発生します。
【POINT:3 運用方法の変更点】
テレビ会議システム側での操作方法に大きな変更はありませんが、今まで社内に設備していたMCUの会議室に接続されていた状態から、クラウドサービスへ接続することによる仕様の変更、例えば分割画面レイアウトやレイアウトの種類、接続帯域の制限(画質・音質劣化の懸念)、接続時の安定性などを利用者に十分理解して頂くことが必要です。
こうすれば上手く使える! こんな使い方がある!
最後に既存のテレビ会議システムを出来ればまだ使い続けたい!とお考えのご担当者様に、我々VTVジャパンでご支援するソリューションのご紹介をさせて頂きます。