H.323/SIP端末(テレビ会議システム)とは?
Zoom RoomsやTeams Roomsとの違いや使い方について
H.323/SIP端末(テレビ会議システム)とは?
H.323/SIP端末とは、一般的にテレビ会議システムと呼ばれる「H.323」や「SIP(Session Initiation Protocol)」という通信プロトコルを搭載した会議室でオンライン会議を行うための専用機です。
専用カメラやマイクがパッケージされ各メーカー独自の機能が搭載されています。AV機器と接続連携して、音声・映像を拡張することも可能です。
PCベースのオンライン会議ツールよりも、映像・音声・信号の変調/復調などのデータ処理能力が高いものが多く、安定した品質でのオンライン会議を実現します。
1. テレビ会議システム(H.323/SIP端末)を利用する利点(メリット)とは
テレビ会議システム(H.323/SIP端末)はテレビ会議をするためだけに設計されたシステムです。PCなどをベースとするオンライン会議と比べて会議に不要なアプリが入っていないのでPC由来の不具合もなく、会議前の準備や操作も簡単です。
また音声や映像などのデータの処理を行う演算処理装置にDSPを採用しているものが多く、PCベースのオンライン会議と比べ音声・映像品質が格段に良くなります。
DSPとは、デジタル信号処理を行うための演算処理装置です。
DSPは大量の複雑な演算を短時間に実行することができ、テレビ会議においては音声処理、画像処理、信号の変調/復調といったデータの処理能力に優れているため音声・映像が高品質になります。
テレビ会議システムを利用する利点(メリット)
- 会議室据え置きのため、誰でも会議を開催・参加できる
- 音声、映像機器は会議室に常設され、スイッチひとつで簡単に起動できる
- PCや周辺機器の設定などに起因するトラブルが起きない
- DSP搭載で音声や映像品質が良い
- 専用機に最適化された周辺機器が付属しているので品質が良く、会議に臨場感がでる
- 専用機にアカウントを付与しなくてもよいためランニングコストが安くなる
- 不要なトラブルが減り、管理者のサポートなどの業務負担が軽減される
- デュアルモニターなど会議室で会議を行うために必要な機能が充実している
- オンプレミスのMCUと併せて利用することでセキュリティ面も格段に向上する
2. テレビ会議システム(H.323/SIP端末)とZoom RoomsやTeams Roomsの違いについて
一番の違いは搭載されている通信プロトコルです。テレビ会議システムはH.323やSIPを搭載し、Zoom RoomsやTeams Roomsもそれぞれ独自の通信プロトコルでオンライン会議を行います。そのためプロトコルの異なる端末同士では、ゲートウェイサービスなどを利用し、通信プロトコルを接続先の端末のプロトコルに変換しないと接続ができません。
テレビ会議システムはZoom RoomsやTeams RoomsなどのようにWeb会議に専用機を接続させるためのRooms専用ライセンスの購入や更新が不要です。導入時のコストは高額になりますが、長期運用を考えるとテレビ会議システムのほうがランニングコストがかからない点も魅力です。
また、Zoom Roomsの主幹クラウドサービスはZoom、Teams RoomsはMicrosoft Teamsであるのに対し、H.323/SIP端末対応のテレビ会議システムであれば複数のクラウドサービスから主幹サービスを選択することも、オンプレミスのMCUを利用することもできます。そのため自社のポリシーにあうシステムが構築できるので運用面でも安心して利用できます。
H.323/SIP端末とRooms端末の比較
テレビ会議システム | Zoom Rooms | Teams Rooms | |
---|---|---|---|
通信プロトコル | H.323、SIP | Zoom独自プロトコル | Teams独自プロトコル |
端末専用ライセンス | 不要 | 必須 | 必須 |
主幹サービス・製品 | H.323/SIP端末対応のクラウドサービス、MCU | Zoom | Microsoft Teams |
3. テレビ会議システム(H.323/SIP端末)の導入をおすすめするユーザー
コロナ禍以前の会議室用のコミュニケーションツールといえばテレビ会議システムだったこともあり、搭載されているさまざまなプロトコルも長い期間をかけて改善されています。通信が安定し高品質であるため、オンライン会議の品質に重点を置かれる場合はテレビ会議システムがおすすめです。
また、セキュリティ面でオンプレミスでの運用が必須の場合も、会議室の端末はテレビ会議システムになります。
テレビ会議の導入がおすすめのユーザー例
通信品質を重視するユーザー
Zoom、Teamsが自社のポリシーと合わないユーザー
セキュリティ面からクラウドサービスが使えないユーザー
アップデートなどの更新作業の手間を極力減らしたいユーザー
4. テレビ会議システム(H.323/SIP端末)の会議室構成
VTVジャパンでは、テレビ会議システム(H.323/SIP端末)のソリューションをご提供しています。
会議参加人数や会議室の広さやレイアウト、会議用途、運用管理方法など、状況に合わせたさまざまな会議構成をご提案します。
長年オンライン会議に携わってきた経験知と、オーディオ・ビジュアル機器の知識を活かし、オンライン会議に最適な会議環境の構成をサポートします。
テレビ会議システムでの会議室構成
テレビ会議システム(H.323/SIP端末)を利用した会議室の構成例を規模ごとにまとめました。パッケージに付属のカメラやマイクのほかにどのようなシステムを組み合わせられるか、それによってどのような効果が得られるか、おすすめの製品とともにご紹介しています。
5. おすすめテレビ会議システム(H.323/SIP端末)のご紹介
弊社で検証済みの各メーカーの製品をご紹介します。下記のメーカーをクリックすると、メーカーが提供するテレビ会議システムのラインナップが表示されます。
6. 無料デモンストレーションのご案内
VTVジャパンのデモルームでは、実際にテレビ会議システム(H.323/SIP端末)の映像・音声の確認や操作感、製品の比較などをご体感いただけます。デモルームでご覧いただける展示製品やデモンストレーション例、アクセス方法やデモのご予約は以下リンク先よりご覧ください。
- H.323/SIP端末とは何ですか。
- 一般的には、通信プロトコルの標準である「H.323」「SIP」を搭載したテレビ会議システムを指します。H.323はITU-Tより勧告されている、LANやインターネットなどのIPベースのネットワーク上で、音声、映像、データといったマルチメディア情報を提供する国際標準規格で、SIPはIEFEが定めたテレビ会議や電話をIPで行うための呼制御プロトコルの一つです。詳細はH.323/SIP端末(テレビ会議システム)とは?をご覧ください。
- Zoom RoomsやTeams Roomsとは何が違うのですか。
- どれもオンライン会議を行うための専用機ですが、搭載されているプロトコルが異なります。搭載されている演算処理装置などもDSPを積んだテレビ会議システムとCPUベースのRoomsデバイスでは処理能力が異なるため品質に差が出ることもあります。
- H.323/SIP端末はZoomやMicrosoft Teamsの会議にも接続できますか。
- それぞれ通信プロトコルが異なるため、そのままでは接続はできません。H.323/SIP端末専用機からZoomの会議に接続する場合はZoomカンファレンスルームコネクタを、H.323/SIP端末専用機からTeamsの会議室に接続するにはMicrosoft CVIライセンスを導入する必要があります。
Microsoft CVIについてはTeams・Googleテレビ会議連携をご覧ください