有機ELディスプレイ
液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)と共にフラット・パネル・ディスプレイ(薄型ディスプレイ)の一種である。電圧を加えると発光するEL(ElectroLuminescence、エレクトロルミネッセンス)現象を利用し、EL材料として有機物質を用いるディスプレイが有機ELディスプレイと呼ばれる。英語ではOrganic ElectroLuminescence DisplayあるいはOrganic Light Emitting Diode Display (OLED Display)と表される。
発光素子は、基板の上に陽電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰電極が重ねられた構造をしている。基板はLCDがガラスであるのに対し、有機ELディスプレイではプラスチックが使用できる。
有機ELディスプレイには次の特徴がある。
- 応答速度が速い。従って被写体の速い動きに追随できる。
- 暗部の階調再現性がよい。液晶ディスプレイでは構造上バックライトが漏れるため暗部の表現に難があるが、有機ELディスプレイでは自発光のため黒つぶれが起きない。これにより高コントラストを再現できる。
- 液晶ディスプレイより薄型にできる。基板はプラスチック製1枚でよい。液晶ディスプレイはガラス板2枚で液晶を挟む構造であること、バックライトを必要とすることから薄くすることに限界がある。
- プラスチック基板を用いれば、表示面を曲げることができる。これにより湾曲した画面のディスプレイも作れる。
有機ELディスプレイの商品例としてソニーの4K有機ELテレビKJ-77A1がある。画面サイズは77インチ、解像度は水平3840画素x垂直2160画素で、高コントラストのHDR(High Dynamic Range)画質を再現できるとしている。