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【前編】オンライン会議カオス化
Web会議環境、ようやく落ち着いたと思っていませんか?現場に広がる“オンライン会議のカオス化”という真実

Teams、Zoomやテレビ会議専用機の使い分け、明確にしていますか?
オンライン会議環境の未整備によって起こる問題とは。

 
2022年10月20日
Web会議環境、ようやく落ち着いたと思っていませんか?現場に広がる“オンライン会議のカオス化”という真実

コロナ禍において働き方の変革を余儀なくされ、多くの企業がテレワーク環境における重要なコミュニケーション基盤としてWeb会議サービスを導入し、 すでに現場ではオンライン会議が浸透していることでしょう。ただし、オフィスへの出社も含めたハイブリッドワークが広がるなか、 現場においては混乱しているケースも出始めています。 それが“オンライン会議のカオス化”という問題です。
すでに顕在化しつつあるコミュニケーション課題、自社に当てはまるものはありませんか?

オンライン会議の現状

テレワークが進み、多くの企業では新たな働き方に向けた環境整備を進めてきました。その一環として多くの企業が導入してきたのが、Microsoft TeamsやZoom Meetingsなどを中心としたオンライン会議ツールです。 オンライン会議ツールを活用し、顧客とのオンライン商談やパートナーとのオンラインミーティング、社内会議や部下と上司の間で行われる日常的な報・連・相の場づくりなど、 さまざまな用途に活用されています。まさにオンライン会議は、テレワークが一般化している現代において、コミュニケーションのスタンダードとして定着したといっても過言ではありません。そして、今ではオフィスへ出社する機会が増えてきている方も多く、オフィスワークとテレワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」が、新たな働き方として定番化しつつあるのです。

ハイブリッドワークにおいては、テレワークでコミュニケーションの中心的な役割を果たしてきたオンライン会議ツールとともに、オフィスの会議室に設置されているH.323を用いた高品質なテレビ会議専用端末も含め、用途に合わせてオンライン会議を実施している企業も少なくありません。

多くの企業では会議室において、PCを持ち込んでWeb会議を実施しています。会議室の環境や利用用途に応じて、現場では複数のWeb会議ツールを使い分けていることでしょう。 また、営業部門などでは顧客の要求に合わせてツールを変更せざるを得ないケースもあるはずです。

どんなオンライン会議の使い方をしているのか?

企業においては、オンライン会議ツールをどんな使い方をしているケースが多いのでしょうか。用途での使い分けはもちろん、ミーティングや会議の性質によっても、それぞれ使い分けされているのが一般的です。

テレビ会議専用端末を利用するシーンで考えると、例えば役員会議では、音声や映像の品質が問われるため、専用の会議室に設置された専用端末とともに、会議をファシリテートできるコントロール装置を接続した環境づくりが求められます。 また、セキュアな環境の会議が望まれる法務部門であれば、インターネット越しよりも社内の閉域網を利用した専用端末による会議が必要になる場面もあるでしょう。 実物を見ながら議論するような製造部門や品質管理部門などは、より高精細な画像が必要で、音質よりも画質にこだわった環境を要求されることもあります。

一方でオンライン会議ツールを使うシーンは多岐にわたっています。営業部門は顧客の環境に依存して複数のツールを使い分ける必要がありますし、人事部門のなかで採用を担当しているのであれば、一般的に広く普及しているZoomあたりが学生などにも案内しやすいはずです。 社内研修を担当している人事担当であれば、全員を集めての講義とともに、個別の会議室に分けて作業してもらえるブレイクアウトルームのような機能が使えるツールが実用的です。

Web会議ツールでも使い方に差が出てきている

テレビ会議専用端末とWeb会議ツールを選択するシーンの違いはイメージしやすいですが、実は同じような環境で利用するWeb会議ツール間についても、最近では使い分けがされていることが見えてきています。

実際にVTVジャパンが実施したオンラインセミナーにてアンケートを実施したところ、「Microsoft Teams」や「Zoom Meetings(有料版)」「Zoom Meetings(無料版)」が多くの企業で利用されていることが明らかになっています。 「Cisco Webex」や「Google Meet」なども利用されていますが、TeamsとZoomの2つが中心であることは間違いありません。

アンケート結果:ご利用中のオンライン会議サービスについて

2022年7月実施のVTVジャパンウェビナー「Zoom Roomsデモンストレーションセミナー」アンケート結果より

双方を併用している企業に話を聞くと、社内会議ではMicrosoft Teamsを、そして社外会議はZoom Meetingsを使っているという声が多く聞かれます。

Microsoft Teamsが社内会議に利用されているのは、社員同士のテキストチャットの流れからオンライン会議に移行するパターンが多く、社員同士で電話しながらMicrosoft Teamsの資料共有機能を使って相談するといったシーンが多く見られるようです。また、部署などのチーム内ですぐに始めてパッと終わるような、カジュアルな会議に利用されているのが実態です。

知名度が高く利用者も多いZoom Meetingsは、社外とのミーティングや会議で利用する機会が多いようです。特にネットワーク帯域を小さく抑えることで品質面が高く評価されているだけでなく、 資料共有をメインで行うセキュアな会議にも最適だと答える方も多く、品質やセキュリティを重視するフォーマルな会議に重宝されています。

アンケート結果:ご利用中のオンライン会議サービスについて

テレビ会議システムの使い分けの例

複数のオンライン会議ツールを使っている背景には、その用途による使い分けを余儀なくされているだけでなく、事業継続の観点から複数のコミュニケーション手段を確保しておかなければいけないという事情もあります。 オンライン会議が常態化している現状では、1つのサービスに依存してしまうと、大規模障害の際にコミュニケーションの断絶が発生してしまうリスクがあるためです。 そんな視点からも、オンライン会議が可能な環境を複数持っておくことは、今や当たり前の時代になりつつあると言えるのです。

新たな課題として懸念される“オンライン会議のカオス化”とは

そんな状況下において、実際の現場では潜在的な課題が噴出し始めています。実際には扱いに慣れた担当者がうまく調整することで何とか事なきを得ていますが、オンライン会議を常態化させていくには、特定の個人に依存することなく、 誰でも使える環境が必要になってくるのは間違いありません。では、実際にどんな場面で現場が混乱しているケースがあるのでしょうか。

全ての会議室でオンライン会議のためのデバイスが常設されていない
全ての会議室でオンライン会議のためのデバイスが常設されていない

これまでテレビ会議専用端末を使って拠点間の会議を行ってきた企業であれば、一部の会議室には大型のモニターやマイク、スピーカーが導入されていますが、全ての会議室にその環境が用意されているケースは少ないでしょう。 設置されていたとしても、オンライン会議ツールとうまく接続できるかどうかは、ITリテラシーを持っているかどうかにかかってくる部分は否めません。 会議室が空いているにもかかわらず、オンライン会議ができないために全然使われてないなんて状況を生み出していませんか。

会議室にオンライン会議に必要な各種デバイスが常設されていない場合、その都度総務から貸し出しを受けるといった運用を続けているケースも見受けられます。 設営に慣れたスタッフがいない場合、なかなか会議を始めることが難しいケースは現実的に出てきています。

オンライン会議が定番化した今だからこそ、どの会議室であってもオンライン会議が開催できるような環境を整備することが重要だと言えます。

複数のオンライン会議が混在、使い分けのルールが現場任せ
複数のオンライン会議が混在、使い分けのルールが現場任せ

企業ごとに環境は異なりますが、全社的にはMicrosoft 365のプラン内で利用できるMicrosoft Teamsをベースに、会議室ではテレビ会議専用端末、社外とのやり取りにはZoom Meetingsなど、 複数のオンライン会議環境を使い分けているケースが少なくありません。これらは現場の判断によって利用されいて、ルール化されてない企業が多く見受けられます。
逆に言えば、現場任せのために管理者がどの手段でどんなオンライン会議が行われているのか把握していないことも少なくないと言えます。ガバナンスの観点からも、 管理者が業務で使う環境をしっかり統制しておく必要があるはずです。

使い分けについては、いろいろな基準での判断が求められます。前述した通り、役員との面談や実物を見ながら判断する品質保証関連の会議などでは、 高品位な専用端末が求められるでしょう。顧客との商談場面では、先方に合わせてツールを使い分ける必要は当然出てきます。 ただし、使い方についてはルール化されておらず、会議参加者のなかで一番声の大きなメンバーに引きずられてしまうのが現実でしょう。 特に社内メンバーとミーティングする場合、相手が使い方を熟知していないものを選択してしまうと、会議を始めるまでに多くの時間がかかったり、 画面共有の機能を説明するだけで時間を要してしまったりします。

場面によって使い分けが必要な場合、なかなかルール化することが難しいケースもあります。そうであれば、用途に応じて現場の判断が必要にならないよう、 オンライン会議サービスに依存しない環境を整備してあげることが、現場の混乱を防ぐだけでなく、生産性の高い場づくりができるようになるはずです。

どうやって接続すればいいの?準備や設定が複雑で会議が始められない
どうやって接続すればいいの?環境が複雑で会議が始められない

会議室にモニターやカメラ、マイクなどが揃っていたとしても、その接続方法や使い方は選択するオンライン会議ツールによって異なっているケースが一般的です。 PCを持ち込んで会議室にあるデバイスと接続する場合、USBインターフェースやHDMIインターフェース、無線LANやBluetoothなどを用いて各デバイスと接続することになりますが、 うまく接続できないことも起こり得ます。会議室によってはケーブルが散乱し、どれに接続すればどの機器と繋げられるのか混乱するケースだってあるでしょう。 普段から慣れた環境でない場合、接続するだけで時間を要してしまったという経験をお持ちの方もいることでしょう。

会議体によって選択するオンライン会議ツールが異なれば、音声の調整やWebカメラの画角調整、資料共有の仕組みも異なってきます。 普段から使っているものであればいざ知らず、先方からツールを指定された場合はどのように調整したらいいのか難しいケースもあるはずです。 マニュアルを準備したとしても、利用者が必ずマニュアルを参照してくれるわけではなく困った段階で情報システム部門や総務部門に助けを求め、 それだけ時間がかかってしまうこともあります。

そんな状況を回避するためには、ケーブルやマニュアルが不要で接続できる環境が理想的であり、選択するオンライン会議ツールによって操作方法をうまく吸収してくれるような環境が望ましいでしょう。 会議のための下準備が必要になってしまうような状況では、理想的なコミュニケーション環境とは言えません。コロナの影響で、ケーブルを共有しながら使うような環境の場合、 会議が終わるたびに消毒するような運用を強いてしまうことも。できるだけシンプルな状態で運用できるような環境が求められてきます。

会議にて利用するオンライン会議ツールが1種類であれば上記のような課題が生じることは少ないはずですが、現実的には複数のツールを利用せざるを得ない企業が少なくありません。 オンライン会議のカオス化によって、多くの現場に混乱が生まれているのです。