クラウド型テレビ会議システム
テレビ会議システムに必要な要素は、会議室毎に設置される端末装置と、システム内の端末装置間で共通に使用されるゲートキーパ、ゲートウェイ、MCUや電話番号帳(ディレクトリ)、NAT/ファイアウォール越え、セキュリティの機能要素がある。後者の共用機能を提供する機器はインフラ機器(infrastructure)と総称される。伝統的なテレビ会議システムでは端末装置もインフラ機器も利用者構内に設置し、利用者が自ら管理してきた(故にオンプレミス型テレビ会議システムと呼ばれる)。
これに対し、インフラ機能の一部もしくは全部を外部の(利用者からは独立した)クラウドサービス提供者が用意し、それを利用してテレビ会議システムを構成する形態をクラウド型テレビ会議システムあるいはVCaaS (VideoConferencing as a Service)と呼ぶ。
クラウド型の利点は、多くの利用者で高価な処理資源を共有することから経済的なシステムが得られること、システム規模の拡大・縮小が自由であること、インフラ機器の保守管理を外部に委ねられることにある。一方で、それらが利用者の手を離れることからシステム障害時の原因究明やセキュリティ確保を懸念する声もある。