エコーキャンセラ
Echo Canceller
マイクロホンとスピーカを使った会議システムでは、スピーカから出る相手の音声が自分側のマイクに入り込み,それを相手側に送り返してしまうとエコーとなる。このエコーが強くなるとついにはハウリングが発生する。これを防ぐには、スピーカから出てマイクに拾われる音のレベルが下がるように、指向性マイクを使う、部屋に吸音処理を施す、イヤホンを使うなどの対策が必要であるが、汎用的ではない。この問題を信号処理により解決するのがエコーキャンセラで、スピーカの入口からマイクの出口までの音響経路を含む伝送特性を擬似した電子回路によってエコー信号を合成し、相手に送る音声信号から差し引いてエコーを減衰させる。
アナログ電話では、2線(加入者線)-4線(中継回線)変換をする際、一部の信号が反射されてエコーとなって戻る。これを防ぐデバイスもエコーキャンセラと呼ばれる。両者を区別するため、前者は音響エコーキャンセラ(Acoustic Echo Canceller)と呼ばれ、後者はネットワーク・エコーキャンセラ(Network Echo Canceller)と呼ばれる。