G.711[読み方:じー・なないちいち]
1972年にITU-Tが標準化した電話用の音声符号化方式(プロトコル)。電話音声の周波数帯域は300Hz〜3.4kHz、伝送レートは64kbpsで、再現される音声品質は電話音声符号化の基準になっている。標本化周波数8 kHzで得られた標本を8ビットで量子化しディジタル表現するPCM(Pulse Code Modulation、パルス符号変調)が用いられる。発生頻度の高い小レベルの標本はより精度高く、発生頻度の低い大レベルの標本はより粗く量子化することで全体の符号化歪みを抑えている。
G.711のメリットは、相互接続性が高いこと(低速度通信用であるH.324以外のH.300シリーズのシステムでは必ずサポートされる)で、デメリットは、音質の割にビットレートを多く使う点である。
同じ周波数帯で伝送レートを少なくした高圧縮の音声符号化方式G.723.1、G.728、G.729、あるいは伝送レートはほぼ同じでより高音質な音声符号化方式G.722、G.722.1、G.722.2、G.718、G.719が既に標準化されている。
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