G.722 [読み方:じー・ななにーにー]
1988年にITU-Tが標準化した音声符号化(プロトコル)。符号化対象はワイドバンド音声と呼ばれる50Hz〜7kHz周波数帯の音声で、AMラジオ程度の自然な音質が再現される。伝送レートは64、56、48kbpsの3モードがある。符号化アルゴリズムはサブバンドDPCMと呼ばれ、アナログ音声信号はまず16kHz標本化の14ビットPCMにディジタル化され、ディジタルフィルタにより低域と高域の2サブバンドに分けられて、それぞれ適応DPCM(Differential PCM、差分PCM)により圧縮される。符号器の基本は低域信号を48kbps、高域信号を16kbpsで符号化し、合わせて64kbpsを出力する。その他に低域信号を40kbps、32kbpsで符号化するモードが定義され、それぞれの伝送ビットレートは56kbps、48kbpsとなる。
G.722のメリットは音の良さと相互接続性の高さで、各メーカのテレビ会議装置ではほとんどこのプロトコルを搭載している。デメリットは圧縮率が低い点で、G.722の高圧縮版がG.722.1にあたる。