H.323 NAT[読み方:えいち・さんにーさん・なっと]
H.323通信のH.225.0あるいはH.245パケットのデータ部に埋め込まれた、送信元アドレスなどの宛先情報を解釈・変換できるしくみを実装したNATを表し、H.323 ALG (Application Layer Gateway)とも呼ばれる。実際には、ルータがパケットヘッダに書かれた内部ネットワーク・アドレスと外部ネットワーク・アドレスの変換を行う通常のNATの処理だけでなく、ペイロードに埋め込まれた通信制御情報内のプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに書き換える処理を行ってパケットを送信する。
H.323 NATを経由しないパケットは外部ネットワークに出て行くことはできるが、ペイロードに書かれている発信元は内部ネットワーク・アドレスのため、外部からそのアドレスに向けて通信制御情報を送ってもルータで阻止されてしまって通信が成立しない。この問題に対処するNAT越え(NAT Traversal)方策の一つがH.323 NATである。
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