IEEE 802.16
[読み方:あいとりぷるいー・はちまるにー・てん・いちろく]
IEEE 802委員会はLAN (Local Area Network)およびMAN (Metropolitan Area Network)分野の標準化を行う。
802は最初の会合が開かれた1980年2月に由来する。この委員会の16番目の作業グループ802.16が無線MANのデータリンク層と物理層のプロトコルを担当している。
作業結果の標準文書も同じく802.16の番号が振られ、初版は2001年に、最新版は2017年に発行されていて、標題は次の通りである。
802.16-2017 - IEEE Standard for Air Interface for Broadband Wireless Access Systems
対象とするのは、ラスト・ワン・マイル(Last One Mile)と呼ばれるネットワーク〜ユーザ間を接続する最後の区間の無線伝送で、銅線、同軸ケーブルや光ファイバを使うことなく、インターネットにつなぎ込む手段となる。
個々の仕様は、標準に対するAmendment(追加あるいは拡張)として発行され、802.16の次に小文字のアルファベット(a〜z)を付けて識別される。適当な時期にAmendmentを統合した標準が発行される。2001年以降、2004年、2009年、2012年に統合版が作られた。
上記802.16-2017版ではそれ以前の16sまでのAmendmentが統合されている。しかし、製品仕様の準拠標準表示には、もとのAmendment番号が使われていて、主なものの制定年、追加内容は次の通りである。
・IEEE 802.16-2004(2004年制定、802.16aを含む):固定無線アクセス
・IEEE 802.16e(2005年制定):移動無線アクセス
IEEE 802.16準拠製品はWiMAXと呼ばれている。WiMAXフォーラムは相互接続性の向上を推進し、規格への準拠を認証する団体で、IEEE標準のオプションなどを絞り込み、相互接続性を向上させるためのプロファイルを定めている。
それに適合した製品にはWiMAXのロゴが付けられる。このため806.16-2004固定無線アクセス製品は固定WiMAX、802.16e移動無線アクセス製品はモバイルWiMAXとも呼ばれる。
なお、IEEE 802.16作業グループは2018年3月、活動を休止し冬眠に入ると発表した。