走査線
Scanning Line
古典的なテレビジョンでは、撮像管を用いて映像信号を作り出し、それをブラウン管で映像として表示した。その際、電子ビームを左から右に、上から下に動かす(走査する)ことで、画素を連ねて線にし、それを並べることで面にした。画面の左端から右端に至る1本の線を走査線と呼ぶ。現代では固体撮像素子による撮像、液晶ディスプレイなどによる表示に変わり、電子ビームで走査するのではなく、撮像・表示デバイスの画素読み出しあるいは書き込みアドレスを制御することで等価な動作を行っている。画素を連ねて線にし、それを並べて画面にすることは共通なので、走査という概念は生きている。
テレビジョン方式は、1フレーム内の走査線数、毎秒フレーム数で規定される。例えばHDTVは走査線数1125本、毎秒30フレームの方式である。電子ビームが右端から左端に戻る水平帰線期間、下端から上端に戻る垂直帰線期間は合わせて帰線期間(ブランキング期間)と呼ばれ、現代のテレビジョン方式でも維持されている。垂直帰線期間を除く有効走査線数は1080本で実際の撮像・表示範囲に対応する。帰線期間の走査線数は45本となっていて、この部分には対応する映像が存在しない。
関連用語