Symmetric RTP
文字通りは対称RTPを意味する。SIPシステムにおけるNAT/Firewall越えソリューションの一つで、RFC 4961(2007年7月発行)に記述されている。RTPストリームを<ポート番号A + IPアドレスa>で受信すれば、RTPストリームの送信を同じく<ポート番号A + IPアドレスa>宛てに行う。
これを使ったNAT/Firewall越えは、パブリックInternet側に置かれた装置とNAT/Firewallの後ろに置かれたエンドポイント間で、実際にはどのポートにメディアを送るか知らないままSIPシグナリングにより双方向のメディアフローを確立する。
エンドポイント側からメディアが届き次第、パブリックInternet側に置かれた装置はメディアを送るべきポート番号を知ることができ、そこに向けてメディアのRTPパケットを送る。Symmetric RTPに付随するRTCPも同様に対称のアプローチが取られる。
SIPのSDPメッセージ内に書かれているメディア宛先アドレスの情報は、実質的に無用となる。
このソリューションは、メディアが双方向に流れる場合に限られる。なお、テレビ会議システムでは通常双方向にメディアが流れるが、プレゼンテーション画面送信の場合は片方向である。
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