G.723.1 [読み方:じー・ななにさん・てん・いち]
1996年にITU-Tが標準化した音声符号化方式(プロトコル) で、アナログ電話回線によるテレビ電話システムH.324のために開発された。初期のVoIPにも使われた。音声帯域が3.4kHz、伝送レートが5.3あるいは6.3kbps、音質はアナログ電話と同程度である。基本アルゴリズムは音声分析合成符号化で励振には5.3kbpsモードではACELP (Algebraic Code Excited Linear Prediction、代数符号励振線形予測)が、6.3kbpsモードではMP-MLQ (Multipulse Maximum Likelihood Quantization、多重パルス最尤量子化)が適用されている。符号化処理には30msのフレーム長が用いられ、先読み期間7.5msと合わせて37.5msが最小処理遅延となる(実際の遅延時間は符号化、復号処理の時間、伝送遅延が加わりこれより長くなる)。
メリットは、G.711と同程度の音声品質が得られるにもかかわらず、伝送レートが格段に少なくてすむことである。