H.235 [読み方:えいち・にさんご]
H.323システムのセキュリティに関わるITU-T勧告群の総称である。H.235は初版が1998年2月に発行され、当初はH.323システムのセキュリティ全体を規定する勧告であった。2009年9月以降は、H.323システムのプロトコル・スタックと対応し、次のようにシリーズ化されている。
- H.235.0 (2014年1月発行) -- H.323セキュリティ標準の枠組み、概論
- H.235.1(2009年9月発行) -- ベースライン・セキュリティ・プロファイル
- H.235.2(2009年9月発行) -- ディジタル署名セキュリティ・プロファイル
- H.235.3(2009年9月発行) -- ハイブリッド・セキュリティ・プロファイル(ベースライン&ディジタル署名)
- H.235.4(2009年9月発行) -- RASメッセージはゲートキーパ経由で、呼制御メッセージは端末間に直接送られる場合のセキュリティ
- H.235.5(2009年9月発行) -- RASにおいて簡単なパスワードを用いる場合の安全な認証
- H.235.6(2014年1月発行) -- H.235/H.245鍵管理環境下の暗号化
- H.235.7(2009年9月発行) -- SRTPのためのMIKEY(Multimedia Internet KEYing、RFC 3830)鍵管理
- H.235.8(2009年9月発行) -- SRTPのための安全なシグナリング・チャネルを用いた鍵交換
- H.235.9(2009年9月発行) -- H.323のための安全なゲートウェイ
これらは大きくはシグナリング(H.225.0 RAS、H.225.0CSとH.245)に関わるセキュリティとメディア転送(RTP)に関わるセキュリティに分かれる。H.235.1〜5および9が前者に、H.235.6〜8が後者に属する。