H.239 [読み方:えいち・にーさんきゅー]
テレビ会議で、2つ以上の映像を同時に送受信するためのITU-T勧告。
以前は、各メーカが独自モードで同じ機能を実装していたが、異メーカ間での相互接続性の向上のため、2003年に国際標準化された。参加者像とPC画面を同時に送って表示する機能は、Duo Video、Dual Video、Dual Stream、People+Contentなどと呼ぶ製品もある。
H.239では、複数映像の用途(参加者の様子を伝える、PC表示画面を提示する、などのrole)を示すための仕組みと、ISDN上のH.320システムではどのビット位置で第二以降の映像を送るか、を規定している。なお、IP網上のH.323システムでは、もともと複数のメディア情報を送る仕組みが定められているため、H.239では役割情報の規定のみが該当する。
第一の主映像チャネルは参加者像を送るために使われるが、追加の第二映像チャネルはLive roleの場合とPresentation roleの場合がある。前者は参加者を撮して主映像の補助をする。双方向の映像伝送が行われ、複数端末が同時にこのroleで送信可能である。後者は、トークン(送信権)管理をして、一つの端末からのみ全参加者が見るべきコンテンツ映像(H.239ビデオと呼ばれることもある)をすべての端末に配信する。映像の流れは片方向で、PC画面を用いたプレゼンテーションが典型例である。