可変長符号化
VLC [読み方:う゛ぃえるしー]
音声や映像の圧縮符号化システムを構成する要素の一つで、符号器から復号器に送り出すデータをより短く表現する手法である。よく知られている可変長符号化の例は、英文アルファベットに対するモールス符号で、各文字の発生頻度が高ければ短い符号(例:Eはトン)で、頻度が低ければ長い符号(例:Zはツー・ツー・トン・トン)で送り、メッセージ全体ではより短い時間で送れるようになっている。このように送るべきデータ(例えば映像符号化における動き補償ベクトルの大きさ)を発生頻度によって長さの異なる符号、すなわち可変長符号で表現することにより伝送効率を高めることができる。
可変長符号化には、符号化対象の発生頻度に基づきあらかじめ符号表を作成しておくハフマン(Huffman)符号化と、その時々の発生頻度に適応しながら符号が決まる算術符号化があり、後者の方が圧縮効率は高いが、符号化・復号の処理量は多くなる。
可変長符号化は英語ではVLC (Variable Length Coding)と呼ばれる。なお、可変長符号化と対になる用語は固定長符号化(英語ではFixed Length Coding、FLC)で、符号化対象の発生頻度に関わらず一定の長さの符号で表現する。