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RESOLUTION Vol.02
研修主催者のSOSに応える本当に必要な支援とは

オンラインイベント支援レポート

研修主催者のSOSに応える本当に必要な支援とは

 
2021年10月
オンラインイベント支援レポート:研修主催者のSOSに応える本当に必要な支援とは

集合型セミナーや展示会の開催が困難な状況が続く中、代替案として需要が高まっているのがオンラインでのイベント開催です。オンライン化することで、参加者は移動時間削減、主催者は会場手配や配布資料準備などのコスト・業務負荷軽減につながるなど、両者にとって利点があります。しかし、それは想定した成果を出せてこそ成り立つといえます。失敗したときの影響を考えると主催者が抱えるプレッシャーは計り知れません。

では、どうすれば成功させることができるのでしょうか?「接続トラブルにより開催できなかった研修を今度こそ成功させたい」という主催者からのSOSに応えた事例を交えて、弊社のイベント支援に対する取り組みをご紹介します。

原因不明のトラブルでまさかの研修中止。事務局からのSOS

とある企業のセミナー事務局(以下、事務局)から、外部向け研修のオンライン開催を支援してほしいとのご相談を受けました。
経緯を伺ったところ、集合型で開催してきた研修をオンラインで実施したものの、トラブルにより中止せざるを得なかったそうです。トラブルの原因も接続不具合としか把握できておらず、原因究明には至っていませんでした。「接続不具合」と言っても、ネットワーク利用サービスやデバイス、運用方法などさまざまな原因が考えられます。同じ失敗を繰り返さないためにも協力を仰ぎたいとのことでした。

研修は外部講師を招き、同社顧客や関連会社の社員約30名を対象に実施されます。講師は事務局拠点に設置したPCから、参加者は自宅や事務所など任意の場所からPC・タブレット・スマートフォンなどを使って参加することが決定しており、さまざまな環境から異なるITリテラシーレベルの参加者が集まることが想定されていました。

事務局は、同社が契約しているCisco Webexを使って、画面共有などの機能を活用しながら、グループディスカッションや質疑応答など講師・参加者間でのコミュニケーションを交えた集合型研修と遜色ないオンライン研修開催を目指していました。

それでも、前回の接続不具合の原因を正しく把握・対策できないままでは、同じ状況に陥る可能性があります。そこで、弊社は利用環境や機材構成の検討段階から関わらせていただくことにしました。

研修の概要
  • 【講師】 1名
  • 【参加者】 約30名
  • 【参加方法】
    講師:事務局のある拠点に訪問し、事務局のPCから参加
    参加者:PC、タブレットなど任意のデバイスを利用して、職場や自宅から参加
研修への要望
  • 業務で利用しているCisco Webexを利用したい
  • 研修資料を共有したい
  • 参加者同士のグループディスカッションや質疑応答など、インタラクティブなやり取りができる研修にしたい

事務局とワンチームに!役割分担でパフォーマンス向上

打ち合わせを進める中で、役割を分担して、それぞれの担当業務に集中することを提案しました。
オンラインイベント成功のポイントの一つに「運営側の役割分担」があります。オンラインイベントは事務局などのプロジェクトチームを作って開催することがほとんどです。運営側が自分の役割に集中できてこそパフォーマンスが上がります。

初回打ち合わせ当時、事務局の業務は、参加者の受付・管理、講師との調整、資料準備、当日の対応など多岐にわたりました。さらにオンライン会議ツールの運用や参加者へのフォロー業務が加わると、業務負荷は相当なものです。
そこで弊社が当日の参加者フォローを含む「ツール」や「接続」に関する業務を一括して担当することで、事務局は運営業務に注力できるのではないかと考えました。事務局は、顧客でもある参加者との直接のやり取りが発生する業務を弊社に任せることに不安もあったようですが、その方が効率的に進められると判断し、弊社と事務局のワンチーム体制で取り組むことになりました。

会議ツールとユーザー対応への見識が対応力を決める

主催側が利用するツールの機能や特長を熟知していると、ツールの機能を活かした運用を考えることができ、イベント中のオペレーションがスムーズになります。
また、研修参加者のITリテラシーや参加環境といった属性や、進行内容を把握し、利用したい機能を問題なく使いこなすことができるのか見極めることも大切です。特にオンラインイベントでは、主催側が遠隔にいる参加者一人一人をリアルタイムでサポートすることは難しく、リスク要因を極力減らす必要があります。

今回、事務局の研修に対する要望に、オンラインならではの機能の活用がありました。
「グループディスカッション」パートではWebexのブレイクアウトセッションを利用しました。この機能は、通信を切断することなく参加者全員とディスカッション用グループごとの会議を切り替えることができ、集合型研修と同様の進行が可能です。主な操作は主催側で実施するため、参加者は特別な操作を行う必要はありません。

リアルに近いグループセッションが可能に!Cisco Webexのブレイクアウトセッション

「ブレイクアウトセッション」とは、参加者を複数のグループに分けてグループワークを可能にする機能です。
講師は自由に各グループに入退室することができ、主催者の操作によりグループセッションから再びひとつの会議の戻すことができます。研修や勉強会、会社説明会などの用途に有効な機能です。

ブレイクアウトセッションのイメージ

そのほか、研修中に資料を画面共有したいとの要望がありました。しかし、前回の接続不具合や、参加者ごとにネットワーク環境や利用デバイスが異なることから、画面共有時にネットワーク負荷がかかり通信品質が落ちること、それによって参加者からの問い合わせが増えることが予測できました。
そこで、画面共有機能をあえて利用せず、参加者には事前に送付した資料を参照してもらうことにしました。

事務局との打ち合わせを通じて参加者像を把握し、且つ弊社のこれまでの販売・ユーザーサポートの実績をもとに事務局のやりたいことが実現可能か判断できたことで、あえて画面共有をしないという提案ができました。

準備段階からの進行設計が、スムーズな研修進行を支える

オンライン研修において、参加者や講師が研修に集中できるよう、進行の流れを止めないことは必須です。そのためには、準備段階からの進行設計や参加者のフォローが重要になります。

① 参加者のフォロー

オンライン研修自体がはじめての参加者やツールの操作に不慣れな参加者が多いと予測できていたことから、接続テストと研修参加に向けてのオリエンテーションを実施し、参加者の不安を取り除いておく必要があると判断しました。

画像:参加者向け手順書

研修の進行内容に合わせて、接続から終了までの操作手順書と参加にあたっての注意点を紹介する資料を作成しました。事務局経由で研修資料と一緒に事前送付し、操作手順書の流れに基づいて接続テストを実施しました。

職業柄参加者の多くがシフト勤務のため、接続テストの日程を複数用意し、全員が必ず参加できるよう配慮しました。接続テストで音声と映像を確認するとともに、当日の進行や研修中に必要な操作の説明や質疑応答も実施しました。併せて、不用意に研修の妨げになる音が発生しないようにマイクをオフにする、頷くなど反応を見せることで講師が進行しやすくなるなど参加にあたってのポイントを伝え、オンライン研修参加への不安解消に努めました。

当日は、専用のヘルプデスクを設け、接続トラブルや操作に関する問い合わせや、事務局宛の問い合わせにも事務局と連携しながら、弊社スタッフが対応しました。問い合わせ先を一本化することで、有事の際、参加者が迷わず問い合わせができるよう配慮しました。

② 進行とオンライン会議ツールの操作内容を全員で共有

画像:関係者共通の進行表

研修中の操作ミス防止策として、右図のように研修の進行スケジュールと事務局・講師・参加者がその時必要な操作を一覧にまとめ、共有しました。
参加者含む関係者全員が研修全体の流れを把握して本番に臨むことでスムーズな進行が期待できます。

事前に進行・操作内容が共有できていたことで、本番当日、事務局のある拠点から参加予定だった講師が、交通事情により急遽自宅から参加することになったときも、混乱を最小限に抑え、滞りなく進めることができました。

期待以上の研修を実現。成功体験が次の展開につながる

想定外の出来事もありましたが、進行が止まることなく、研修は無事終了しました。「期待を上回る意義ある研修になった」と事務局も手ごたえを感じているようでした。
また、講師からは「今までオンライン研修の講師を務めてきた中で、今回が一番やりやすかった」と評価いただくとともに、参加者アンケートでも好意的なコメントが多く、お役に立てたことを実感しました。

今回の成功を受けて、オンライン研修の有効性を実感した事務局から、新たに同研修のオンラインでの定期開催に向けてご相談をいただきました。
参加者アンケートの回答で音声・映像品質への改善要望があがっていたことから、会議ツール側で改善できる箇所を洗い出すとともに、機材構成の変更も視野に入れた次回以降に向けての取り組みを始めています。

本研修では、主催者である事務局が、一つのチームとして弊社に業務の一部を委任し、役割分担ができたことが成功に大きく寄与しています。弊社が研修参加者と直接やり取りすることや、画面共有機能利用を思い切ってやめるなどの提案が受け入れられたのは、お客様である事務局との信頼関係を築けたからこそ成り立つことです。

今後もイベント関係者に寄り添いつつ、これまでのオンライン会議ツールの販売・サポート実績から積み上げた経験やノウハウを活かしてお客様のやりたいことを確実に実現できるオンラインイベントの進め方やツールの使い方を提案していきたいと考えています。
今回のようなオンラインイベント開催をご検討の際は、ぜひ弊社にご相談ください。

【番外編】VTVジャパンのオンラインイベント支援サービスのご紹介

本事例で研修事務局にご利用いただいた「オンラインイベント支援サービス」をはじめ、昨今の流れを受けてご相談をいただくようになったオンラインイベント対応にまつわるお客様の「困った…」にお応えするため、VTVジャパンでは従来のイベントサポート内容を改定し、サービスラインナップを充実させました。こちらも是非、ご参照ください。