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RESOLUTION Vol.02
音が悪いのはなぜ?悪い音の正体とは?

オンライン会議ラボ・第1回

音が悪いのはなぜ?悪い音の正体とは?

2021年10月
博士

オンライン会議において、特に重要なのが音声です。映像が見えなくてもオンラインコミュニケーションは成立しますが、音声が聞こえないとそうもいきません。
そこで、オンライン会議ラボ第1回は、オンライン会議中、誰もが一度は経験しているであろう“音問題”について原因と解決方法をご紹介します。

音が悪いと一言でいっても、「悪い」にもいろいろある

オンライン会議中、相手の声が聞き取りづらくて会議に集中できなかったり、ディスカッションがうまくいかなかったり…とストレスを抱えている方も多いのではないでしょうか。

一言で「音が悪い」といっても、音が小さくて聞き取りづらい、音が途切れる、音がこもって聞こえるなどいろいろありますが、実は状況によってそれぞれ違った原因があるのです。

① 聞き取りづらいのは「入力レベル」が原因

イメージ:マイクとの距離

話者の声が小さい、マイクから遠い位置から発言しているなど、入力レベルが小さいことが原因で相手の声が聞き取りづらくなることがあります。また、声があまりにも小さすぎると、ノイズキャンセラー機能が「声」を「ノイズ」と見なしてカットしてしまう場合があります。

ただし会議室の規模や参加人数によっては、そもそもマイクの数が足りないという物理的な問題もあるので、その場合はマイクの数を増やすなどの対応が必要になります。

このように機器の特性を理解したり、話者が配慮して話すなどマナーを見直すことで、聞き取りづらさを解決することができます。

② 音が途切れるのは「ダブルトーク」が原因

多くのオンライン会議やマイクスピーカーにはエコーキャンセラー機能が搭載されています。エコーキャンセラーとは、スピーカーから出た声がマイクに入り込み、エコーとなって相手側に送り返されることを防いでくれる機能です。オンライン会議には欠かせないエコーキャンセラー機能ですが、ダブルトークとの相性が悪く、自分の声に加えてスピーカーから出る相手の声が同時にマイクに入力されることでエコーとして処理されてしまい、音が途切れて聞こえなくなることがあります。エコーキャンセラーの素晴らしい機能が裏目に出てしまうケースと言えます。

イメージ:エコーキャンセラーのしくみ
自分の声と、スピーカーから出る相手の声が同時にマイクに入力され、エコーキャンセラーがエコーとして処理してしまう

この問題を簡単に解決する方法は、ダブルトークを避けることです。一人一人交代で話すようにするなど会議マナーを守ることに尽きます。もちろん発言をしないときはこまめにマイクをミュートにして、ダブルトークになる状況を極力作らないようにすることもポイントです。

通常の会議では「音」はあまり意識しない部分ですが、オンライン会議では「音」の良し悪しが会議の質に大きく影響します。オンライン会議中は、ダブルトークや環境音(電話や空調の音)などの不要な音を出さないなど、相手への配慮が大切です。

オンライン会議が急増しシステムを使うことに慣れた今だからこそ、改めて会議のマナーや音響機器・システムの使い方を見直して快適なオンライン会議を実践しましょう。

【番外編】より良い音声品質を追求するなら、音声周波数に注目

実は、音質の良し悪しには「音声周波数」が大きく関係しています。音声周波数とは、電話やオンライン会議ツールなどの音声伝送に使用される周波数のことです。マイクスピーカーやオンライン会議ツールには音声周波数の数値が高いものと低いものがあり、この数値が機器の音声品質の目安になります。例えば、最初に7kHz(AMラジオと同程度)の音声を聞いてから、20kHz(CDと同程度)の音声を聞くと、20kHzの方がクリアに聞こえます。

オンライン会議の音声品質をより良くしたい場合は、高い音声周波数に対応したマイクスピーカーやその周波数帯域に対応する音声プロトコルを搭載したオンライン会議ツールに変更すると良いでしょう。

音声周波数や対応プロトコルはマイクスピーカーやオンライン会議ツールの仕様書に記載されていますので、機器選定の参考にしてみてください。

機器選定の参考数値となる周波数帯域

オンライン会議向けマイク製品の仕様書に、「周波数帯域」という項目があります。これは、周波数の下限から上限までの幅を表したもので、◯◯Hz~◯◯kHzと表記されています。

オンライン会議ツール側が高い音声周波数に対応していても、肝心のマイク側が対応していない…なんてことも。

価格や性能も気になりますが、機器選定の際は、オンライン会議ツール・マイク両方の周波数帯域も確認してみましょう。

画像:再生周波数
周波数帯域の数値を仕様書で確認。例えばヤマハ・マイクスピーカーYVC-1000の場合、周波数帯域は100Hz-20kHz
博士

オンライン会議ラボ、記念すべき第1回は音についてのおはなしでしたが、いかがでしたか?
オンライン会議の音の悪さにお悩みの方は、ぜひ一度見直してみてくださいね。

次回はオンライン会議に使用するマイクについてのおはなしです。どうぞお楽しみに!