RESOLUTION Vol.04
最適なカメラを選ぶときにチェックすべき点とは?オンライン会議「映像のおはなし」
最適なカメラを選ぶときにチェックすべき点とは?
オンライン会議「映像のおはなし」
オンラインコミュニケーションを支える要素の1つに「映像」があります。企業によってはプライバシー対策や帯域圧迫回避のために映像オフを推進しているケースもありますが、コミュニケーションにおいて視覚から得られる情報もとても大切です。
第3回オンライン会議ラボでは、なぜオンライン会議に映像が必要なのかを解説するとともに、規模や用途が異なる会議室に合ったカメラ選びのポイントをご紹介します。
スムーズなコミュニケーションに「映像」が必要な理由とは
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、人と人とがコミュニケーションを図る際に、「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」の割合で影響を与えていることを示した法則を提唱しています。これは人が言語・聴覚・視覚においてそれぞれ矛盾した情報を得たときに、どの情報が優先されるかを調べたものです。
言語だけのコミュニケーションでは相手の本心が見えづらいと感じます。聴覚と視覚から得た情報が合わさることでより相手の気持ちが伝わるようになります。全てのシーンでこの法則がそのまま当てはまるわけではありませんが、人はこれらの要素から得た情報をもとに総合的に判断するので「言語」「聴覚」にプラスして「視覚」をうまく活用することで、より伝わるオンライン会議ができるようになります。
オンライン会議のカメラ選びのポイント①:視野角
オンライン会議のカメラを選択するときの基準の1つに「視野角(画角)」があります。視野角とは、カメラで映し出される映像の範囲を角度で表したものです。テレビ会議専用機に利用されるカメラのほとんどが視野角70°台であるのに対し、最近のWebカメラは視野角120°~150°のものが多くみられます。
視野角は広い方が良いイメージがありますが、テレビ会議用カメラの視野角が70°台であるのには理由があります。視野角70°台のカメラ映像のアスペクト比は16:9でHD映像とほぼ同じです。映像をツールに受け渡す際にカメラ側で比率の処理をしなくても映像が自然に見えるので、テレビ会議用カメラでは視野角70°台のカメラが採用されています。一方、Webカメラにみられる広視野角カメラの映像は横幅が広くなるため、アスペクト比が16:9になるようにカメラ側で横幅を縮める処理を行います。これにより映像の左右に歪みが生じ、映像の左右の端に表示される被写体が歪んで見える現象が起こります。
ではカメラは視野角の狭い方が良いかというと一概にそうではなく、例えばカメラの設置場所と被写体の距離が近い部屋では視野角の広いカメラのほうがより多くの被写体を映し出せるメリットもあります。設置する部屋の環境から最適な視野角のカメラを選択しましょう。
オンライン会議のカメラ選びのポイント②:光学ズームとデジタルズーム
オンライン会議のカメラ選定ポイントの2つ目は「ズームの種類」です。一般的なカメラでは「光学ズーム」と「デジタルズーム」の2つのズーム機能があります。
光学ズームは都度レンズを動かして撮影するため拡大しても映像が粗くならず、きれいに映し出してくれます。反面、ズーム率と比例してレンズのサイズや価格は上がります。デジタルズームはレンズを動かさず撮影し、映像の一部をコンピューター処理で引き延ばして拡大するため、映像は粗くなります。カメラやレンズがコンパクト且つ低価格で購入できるところがメリットです。
光学ズームとデジタルズームは組み合わせることでさらに倍率が高まります。光学12倍、デジタル4倍カメラの場合、48倍(光学ズームで12倍した映像を4倍に引き延ばした状態)まで拡大できます。
「光学ズーム」と「デジタルズーム」ではパン(左右)・チルト(上下)の方法も変わります。光学ズームは上下左右に向きを変えたカメラが映す映像を拡大するのに対し、デジタルズームは最初に映した映像を元に、この映像の中でズームした時に表示されていない範囲の上下左右のみを映します。
どのカメラが最適?シーン別カメラの選び方
「視野角」と「ズーム」、2つのポイントを参考にしたカメラの選び方の例をご紹介します。
視野角の広狭やズームの種類はどれが良いというわけではなく、利用する環境やレイアウト、利用者の要望をふまえて最適なものを選びましょう。
どのカメラがよいか悩んだ場合は、貸出機を利用して検証したり、専門の会社に相談してみるのもおすすめです。
オンライン会議ラボ第2回では、マイク選びのポイントを紹介しています。こちらも是非参考にしてみてください。
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